マルチモーダルとは、異なる種類のデータ(テキスト、画像、音声など)を統合して処理する技術です。
この技術は、AIがより複雑な情報を理解し、人間のように複数の感覚を使って世界を認識する能力を持つことを目指しています。
テキスト=読解力、画像=目、音声=耳という複数の感覚機能があるという意味ですね。
ChatGPTやGeminiでもマルチモーダルの技術が採用されています。
知っているようでよくわからない、マルチモーダルの基本について解説いたします。
マルチモーダル技術の種類と例
マルチモーダル技術の魅力は、様々な情報源を統合する能力にあります。
テキストと画像の統合を考えてみましょう。
これはSNSを例に考えるとわかりやすくなります。
SNSの投稿を分析する際、テキストだけでは伝わらないニュアンスを、画像を添付することで伝わりやすくできます。
Xの投稿でも文字だけより画像がある方が伝わりやすいですよね。
Instagramは画像がメインなので流し見でも内容がわかりやすく感じます。
音声認識とテキストの組み合わせは、映画の字幕生成に応用されています。
俳優のセリフを正確にテキスト化し、異なる言語の視聴者にも理解可能な形で提供するのです。
これは、世界中の人々が同じ映画を共有する際の橋渡し役とも言えます。
マルチモーダル技術がもたらす変化
マルチモーダル技術の進化は、私たちの生活やビジネスに革命をもたらします。
広告業界においては、消費者の反応をテキスト、画像、音声といった複数の角度から分析することで、より精度の高いターゲット広告が可能になります。
これは店頭での買い物体験をデジタル世界で再現するようなものです。
スマートホームデバイスは、単に「電気をつけて」という音声コマンドだけでなく、部屋の明るさや時間帯を理解し、適切な照明レベルを自動で調整します。
これはまるで、家族の好みを理解する賢い(スマート)家電と言えるでしょう。
ChatGPTのマルチモーダル機能
ChatGPTでは、有料版のGPT-4Vがマルチモーダルに対応しています。
テキストと画像を認識できるようになったことで、撮影した写真やスクショから回答してくれます。
画像内のテキスト認識機能も高性能なのでかなり役立ちますよ。
使い方としては、Googleレンズのように、「この花の名前は何?」と画像を送ることで回答してくれます。
アプリの場合は音声での入力にも対応しています。
この機能を使って英会話の学習を行うユーザーも増えてきたようです。
マルチモーダル技術の今後の展望
マルチモーダル技術の進化はまだ始まったばかりです。
将来的には、さらに高度なデータ統合が可能になり、例えばリアルタイムでの環境認識や感情理解が実現するでしょう。
これは、AIが人間の五感を使いこなすようになることを意味します。
この技術は医療、教育、エンターテイメントなど、多岐にわたる分野での応用が期待されています。
医療では、患者の言葉と身体のデータを統合して診断を助け、教育では、学習者の反応を理解し、パーソナライズされた教育体験を提供することが可能になるでしょう。
AIによってぼくたちの生活はより便利で効率的になり、AIとの対話もより自然で豊かなものになる日が来るのはもうすぐですね。